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木の契りのお話

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木のどーんとした板材ってかっこいいですね

でも製材して乾燥させているうちに割れが生じたりします。
きちんと乾燥させてしまえばこれ以上割れたりはしませんが
念のため割れが広がらないように『契り』を埋め込みます。
私は‘ちょうちょ’と呼んでいますが、ちょうど蝶が羽を広げたような形をしています。
この広がりと縦の木目に対して横方向に使うことで、がちっと板に食い込むような感じになります。

埋め込む契りの大きさを決めたらそれに合わせてのみで削っていきます。
大体深さ2センチほど埋め込みます。

最近は契りの色を変えたりして無垢材ならではの飾りとしても人気があります。

COBOで選んで頂いた天板を使うときは契りを入れる前にお客様に大きさや位置を決めにご来店いただくこともあります。お客様もご自分で決められたほうが愛着もよりわいていただけるのでは・・・と思っています。

今年も一年日々の出来事を綴って参ります。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。

(O)

Bonjour!Nos noms sont Jean et Mitchell.

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Bonjour!Nos noms sont Jean et Mitchell.
(こんにちは!私たちはジャンとミッチェルです。)

「私たち海を渡りはるばるパリから日本にやってきました」
という訳で今日はユニークなお二人が組み込まれたアンティークな家具の修理のご紹介。

富士で修理をさせていただく家具のほとんどは10年~20年程お使いになられた家具が大半ですが中には海外でアンティーク家具をお使いになられてそのまま日本に持ち帰られて修理される方も。
海外からの輸送の場合、配送途中でコンテナ内で傷がいってしまったり壊れてしまったり・・・そんな修理も数多く取り扱って参りました。

今回の修理は輸送途中の傷というよりも、経年による劣化を修理させていただきました。
まずは彫刻のすごさと大きさに驚かされました。写真で職人が写っているので比較していただければ分かると思いますが組み上げると高さが2.7mもあるのです。
(ちなみにお客様はこの家具の為に天井の高い家を新築されているそうです。)
アンティーク家具全般に言える事ですが今回の家具の木の反りもかなりのものでしたが木を削ったり足したりして無事修理を終え、お客様の元へ帰っていきました。

本年の営業も本日が最終日です。本年もたくさんの方々に本当にお世話になりました。
また来年は4日から通常通り営業致しますのでどうぞ宜しくお願い致します。
それでは皆様よいお年を!
(M)

年末小ネタ集!!!

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今年も残すところ、あとわずか。

この1年もCOBOにはさまざまな患者さん、いや壊れてしまった家具などが運び込まれてきました。

皆、無事に家に戻ってふたたび家族の一員として過ごしていただいているようで、
COBOスタッフとしてはうれしい限りです。
今年、印象に残った修理を2つほど・・・・

最初の写真の椅子がエジプトのピラミッドで発見されたときは
ツタンカーメン王の妻のまたいとこの学校の先生が使っていたということで世間をにぎわしたものですが、
結局日本に渡りCOBOで再組み立てという栄誉を賜りました。
今ではツタンカーメンインテリア学校にて最初の椅子として展示されているそうです。

実に思い出深い1脚です。

もう1つは厄介でした、いつも怒髪天のようにおこってばかりのお椅子をご家族の方が困ってCOBOにお持ちいただいたものです。
結局、孫悟空の輪のようなフレームをかぶせてあげることで、
あら不思議、とても紳士的なお椅子に変身しました。

今では時折遊びに来るこの家のお孫さんを座らせては昔話を語ってあげられているそうです。


来年はいったいどんな出会いが待っているでしょうか。
COBOスタッフ一同 楽しみにお待ち申し上げております。
以上、年末小ネタ(想像ですあくまでも)をお届けいたしました。

(O)

箪笥の再塗装

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先日納品を終えたこちらの箪笥。

BEFORE→AFTER を見ると見違えるようになったのが分かります。

もともとかなりの年代物で、
状態もけっして良いとは言えなかったのですが、


痛んでいた金具類を丁寧に外し、研磨して再塗装。

割れていた背板を入れなおし。

塗装を一度剥がして(写真にある状態です)ご希望の色に再塗装。

錆びて割れてしまったいた金具は、パーツ取りしてつけなおし。


結果こんなにキレイになりました。
職人たちも納得、会心の出来映えだったようです。


椅子やテーブルのガタツキ直しや、割れ修理など、
見た目には変化のない修理、

長持(ながもち)をチェストに変えるような
形自体を変えてしまう「家具のリフォーム」

形は変えなくても、再塗装するだけで
このように「別モノ?」と思うくらい劇的に変化する修理もあります。


ひとくちに「修理」と言っても内容は千差万別。
「この家具もこんな風にできないかな?」
と思いあたる節があれば、お気軽にご相談ください。

(Y)

座卓の脚をながーくします

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僕たち背が伸びました!
と、言うことで今回は家具のリメイク話を。

引越しやリフォームを機会に地面に座る生活から、椅子に座る生活に変える方もいらっしゃいます。特に脚が弱くなられた方には椅子のほうが楽ですね。

そんな時今まで使っていた家具をわざわざ椅子用の家具に全て買い揃えなくても椅子用に背を高くしてあげることは出来るんです!!

写真のように座卓が一番多く承ります。
座卓に脚をつけるのはカンタンですが、大きさや脚の形のバランスが結構難しいので
職人のセンスの見せ所です。
写真では分かりにくいですがロ-テーブルも座卓もについてた装飾を削り取って長い脚に付け直しているんです。

元の通りきれいに直すのも修理ですが、使いやすいように形も変えるのも‘修理’だと思います。

 (O)

布お持ち込みOK!

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富士の張替えの特徴の一つとしてお客様自身にてお持ち込みいただいた布で張替えをする事もできるという事です。

基本的には富士で布・合皮・本革とサンプル帳をご用意させていただいているのですが、「どうしても気に入っている生地が他である」や逆に「どうしても気に入る布がない」などと言ったニーズから布持込で張替えを行っています。

持ち込みされる布を国内でご購入されるお客様がほとんどですが、中には海外にまで買い付けに行かれるお客様も!

以下に布持込の場合の注意点を挙げてみました。

①椅子張り対応であるか?
②柄のリピートは?
③有効幅は?

まずは①について。持ち込みをご検討されているお客様でよくお聞きするのは「カーテン地で張れますか?」という質問。その答えは「もちろん物理的には張る事はできますが、お勧めはしません。理由はカーテン地は薄くコシもない為、張り上がりもいまいちでさらに破れやすいという事です。垂直に吊っているだけの布と毎日磨耗に耐える為の布とでは根本的につくりが違うからです。その性質の違いからカーテン地は一見、柄が豊富なようにみえますが、そのほとんどはプリント柄が多いです。ちなみに富士でご用意させていただいている布は、全て椅子張り用の生地です。」

次に②の柄のリピートというのは柄が縦と横に繰り返し出てくる間隔の事をいいます。(無地の場合は関係のない話なのですが)柄合わせが必要な場合、柄の間隔と張替えをする家具の寸法によっては布の要尺が倍ほど変わってくる事もありますのでリピートを必ずお伝え下さい。

③については普通椅子張り用の生地での有効幅は140cm前後ですがカーテン地の場合は100cmに満たないものもありますのでご注意を!

その他に実際にお持ち込みいただく布自身に布の表裏を明記していただくようにしています。通常布はロールに巻かれた状態で入荷しますが日本の布の場合はそのほとんどが内側がオモテ面に対し、海外の布は外側がオモテ面の場合や、日本で一度巻き直してあったりする為、混乱を避ける為に布の表裏を明記していただくようお願いしています。
 
富士でご用意させていただいている生地見本だけでもかなり豊富な種類があり、また過去の実績も合わせてトータルでご相談いたしますのでお客様のほとんどは富士推奨の布で張替えしていただいていますが、もしお持ち込みの布で張替えをご検討されている方や他の張替え屋さんで「布持ち込み」をお断りされた方はぜひ一度富士までご相談下さい。

(M)

籐の張り替え

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こんにちは。
本日は「籐の張り替え」について河内長野店よりご紹介します。


作業工程はおおまかに分けると

①下準備 ②籐張り込み ③塗装 の3つ。


先に②張り込みについてご説明。


籐張りは、

・座面や背もたれのフレーム周りの溝に籐の張材を押し込み、上から丸芯(籐芯材)で押さえて張り込む

という方法が基本になります。 網戸の張替えと似ていますね。

籐の張材はまずおおまかな大きさに切り分け、水に浸し柔らかくします。
張材、芯材、どちらも乾燥したままですと千切れたり、割れてしまいます。

十分に水を吸ったら張り込み。 フレームの溝に接着材を入れて、張材を押し込み、タッカー等で固定します。
その上から丸芯を叩き込み、はみ出した部分を切り取ります。

乾燥させて張り込みは終了です。


では、①下準備について。

まず、お預かりした椅子の籐を剥がします。
丸芯は溝に沿ってカッターなどで切れ込みを入れ、少しづつ剥がしていきます。
叩きこみ、接着材やタッカーで固定されている芯を取り除くのは大変。
溝に残ったタッカーの針や、接着剤も綺麗に取り除きます。
ここで溝を綺麗にしてしておかないと、今度は張り込む時にキレイに芯が入ってくれません。
その後、塗装に備えてフレームにマスキングテープを貼り、下準備は終了です。

②張り込みに比べると、①下準備の方が何倍も時間がかかります。


③塗装

さぁ塗装! といきたい所ですが、その前に一工程。
張り終わり乾燥させた籐はケバ立ちやひっかかりが残っています。
そのままでは衣類などに引っかかり、ほつれてしまったり、痛みが早くなってしまいます。

まずはバーナーを使い、ケバ立ちやひっかかりをおおまかに焼き落とします。
その後、紙やすりを優しくかけて、なるべくひっかかりのないように仕上げます。

さぁ塗装です。

張材、芯材、もともとは色がついていません。
修理前の色に合わせて塗装することが多いですが、
「もっと濃い色で」「椅子のフレームの色に合わせて」といったご指定を頂ければ色の変更も可能です。

色を作り、吹きつけ塗装を行って完成! 

前述の「再塗装の剥がし」にもありますが、修理の場合

「キレイに仕上げる」ための『準備』が大切。

お預かりする家具はそれぞれに違いがありますから、同じようにはいきません。

例えば籐張りの剥がしでも、剥がしやすいモノもあれば、なかなかキレイに剥がれてくれない場合もあります。

なかには苦戦するものもありますが、仕上がりは同じようにキレイに。
1つ1つに違いがあるのが、修理ならではの面白さ、とも言えるのではないでしょうか。

(Y)

塗装のおはなし・・ちょっと専門的

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今回は塗装のご説明。

塗装を剥がすまでは以前お伝えしましたが、その後のお話です。

女性の方はファンデーションやマネキュアの塗り方を思い浮かべながら読んでくださいね。
通ずるものがあるのでおもしろいですよ。


①最初にこげ茶ならこげ茶の色を塗ってしまいます。ここで木目の出し方を決めます。この後、上に何層もの工程を経て色に深かみが増します。

②木地固めのウッドシーラー剤を塗ります。木の動きをおさえたり、ヤニ止めにもなります。

③ここでようやく下塗りです。ふー
 
④中塗りです。サンディングシーラー剤で木の保護と厚みを持たせます。

⑤ここで一度研磨します。上塗りの塗装の密着性を良くするためと平滑性を出すためです。

⑥吹きつけ塗装です。色のついた塗料で①で塗った色に深みを持たせます。もうすぐ終わりますよ。

⑦最後にトップコート、色が落ちないように透明の塗装を吹きつけます。目に見える塗り肌と光沢感を出します。


塗装の作業に埃は厳禁。とても神経を使う作業です。

このように何層にも重ねて塗っていくので、深い色合いになるんですね。
出来上がりの色を想定しながら色作りをしていきますので、かなりの経験は必要です。

まったくきれいに塗り直すこともありますし、古いものでしたらあえて使用感を残した塗装にすることもあります。

以上、塗装のふかーいお話でした。

(O)

COBO富士 河内長野店よりご挨拶

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こんにちは。

本日は、COBO FUJI 西宮店を離れ、大阪府河内長野店よりお届けします。

COBOグループの工房は現在、全国に15ヶ所(北は札幌から南は大分まで)
日本全国、それぞれの地域でご依頼頂いた家具の修理を、
それぞれの工房で行っています。

河内長野店もその1つ。

場所はこちら → http://www.fuji21.co.jp/osaka/osaka_top.htm


家具修理の全国ネットワーク「家具修理.com」は、
この9月に始まったばかりなのでまだまだ分かりませんが、
地方によっては、家具の修理にも特徴があるかもしれませんね。


そんな期待も込めてこれから、

「大阪府河内長野店ではこんな修理やリメイクをしています」

という報告が出来ればと思います。もちろん、日々の作業風景なども含めて。

河内長野店ではここのところ「籐の張り替え」のご依頼を多く頂いています。

籐の張り替えも、前回の再塗装と同じように
剥がしや下作業が大変なんです。
地味だけど最後の仕上がりに差がでる、大事な作業です。

剥がして、張って、乾かして、塗装。
作業工程なども合わせて、詳しくは次回お届けしようと思います。

(Y)

再塗装の剥がしって大変!なお話

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椅子の張替えの次に修理COBOで依頼の多いのが、再塗装。

テーブルの塗り直し、椅子の背もたれ、アーム部分の塗り直しなどなどですが、
ただ、ハイ塗り直しをお願いね!というわけでなく
椅子の場合は張替えやがたつき直しのついでに一部塗り直したり、たんすや棚などは丁番を直したり抽斗の調整もしながらの塗り直しだったりと複合的に修理することが多くなりました。

で、大変なのが、『はがし』

時折、機械でがーっと(関西人は擬態語が大好きです)剥がすだけだからカンタンでしょ?
と思われて悲しい思いをしている塗装担当三本君にインタビューしてきました。

Q.再塗装で一番時間がかかるのは剥がしと言われていますが何が大変ですか?

A.物により剥がし方はさまざまです。
塗装が厚いと剥がすのは大変ですね、無垢材であればある程度機械でそれこそ‘がーっと’研磨できますが荒いペーパーだと研磨痕が残るので気をつけて研磨しないといけないですね。
あと突き板のテーブルも多いですが表面の化粧板って厚みが1ミリもないのがほとんどです。下地板が出ないように慎重に作業を進めないといけないので時間がかかります。
椅子のように平面の少ないものはそれこそ手でペーパー掛けしていかないといけないので完全な手作業になります。

Q.剥がし方で仕上げに影響が出るものですか?

A.もちろんです!
先程の機械の研磨痕もそうですが、木目に逆らって研磨すると色を入れたときにキズとなるので木目に沿って研磨していかなくてはいけないんですよ。再塗装という作業は剥がすことから始まっているんです。

貴重なお話ありがとうございました。

ということで、今回は地味な作業の代表格、塗装の剥がしについてお送りいたしました。

(O)