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長椅子・経過報告

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上の写真は、昨年納品させていただいたときの写真です。

講堂いっぱいに並ぶベンチが圧巻!
先々週ご紹介しました、神戸の女子校で使われている長椅子のお修理・その後のお話。

河内長野のCOBOで椅子張りの作業を終え、今週月曜日に納品させていただきました。
長椅子10本・一人がけの椅子8脚を、2台のトラックに積み込んで出発。

何度も修理を繰り返し、たくさんの卒業生を見送ってきた長椅子たち。
きっといつか学生時代の思い出として、懐かしく思われる日が来るのでしょうね。
そんなふうに考えると、少し背筋がピンとする気持ちです。

まだまだ、お修理はこれで終わりではありません。
近々、第2便が参りますのでよろしくお願いします。

(O)

意外と手作業?

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さて、質問です。
このテーブルの丸い天板は一体どうやって作ったのでしょう?

大きな機械でガーッと切ったり、ガチャンと型抜きしたり…
いえいえ、違います!

実はこんな作り方をしています。

1.最初は正方形の板からスタート、板の中心に穴を開けます。

2.次に登場するのが、この”ルーター”という電動工具。
溝を彫ったり、木材の角を丸く削ったりする道具です。
このルーターを使って、コンパスで円を描くように1周2周…刃を出す長さを少しずつ変えて削ります。

3.すると天板は、このようにきれいな円形に。
最初に開けた中心の穴はルーターを固定する”治具(じぐ)”を取り付けるためだったんですね!

COBOだけに限らず、家具を作る現場にはこのような”治具”がたくさんあります。
どれもこれも、作業を早く・正確に行なうために工夫されたものばかり。
家具作りに欠かせない、名脇役です。

このあと、カットした天板は側面をカンナできれいに仕上げ削り→角を丸く面取り→金具を取り付ける穴を開ける→塗装…で完成!

以上、意外と手作業な丸テーブル製作中の光景をお届けしました。

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閉店後、COBOにて

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COBOは夜7時閉店。
…工房に“閉店”という言葉が合っているのかどうかはさておき、今日はCOBO閉店後の様子をチラッとお見せします。

昼間は塗装の剥がしや、完成間近の修理品を調整をしている1Fの作業スペース…夜の7時を過ぎた頃には、完成して霞町の再生工房から引き上げてきた椅子や、お客様からお預かりしてきた修理品でごった返しています。

そんな家具たちに埋もれるようにして人影が…

帰ってきた椅子の仕上がりを確認する椅子張り職人・岡田氏と森田氏。

「いや~、いい色やねー!」「座面の硬さはどう?」
仕上がったばかりの椅子の出来を確認しています。

ちなみに森田氏のチェックの厳しさはCOBOイチとの噂。

COBOではこのように、直接お客様とご相談させていただいたスタッフが最後の仕上がりまできちんとチェックしています。
会ってお話を伺っているからこそ、お客様のイメージどおりの仕上がりかがわかるのです。

このあと、椅子たちは倉庫でお客様のもとへ帰る日を待つことになります。

どうもせせこましい所から、失礼しました。。。

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思い出の鏡台

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お母様が使われていた鏡台を、使い始めた当時の状態に再生したい…というご依頼を受けたのはちょうど5月の半ば、1ヶ月ほど前のこと。
お母様が大切に使われていた鏡台を、昔のままの姿でプレゼントしたいというご希望でした。

まずはバラバラになってしまった本体と鏡の部分を組み直し。
ミラーの裏板を交換するために剥がすと、そこには使い始めた当時のままの色が残っていました。

再塗装は、この裏板の色と修理前の写真を参考にして慎重に…少しづつ、元の姿に近付けていきます。


「プレゼントするものだから、表から見えない部分までキレイに!」という塗装職人・三本氏のこだわりで、引出しの中もお掃除。
汚れを落とすと、当時のままの(想像ですが…)鮮やかな色がよみがえりました!

COBOスタッフも納得の仕上がりに、ご依頼主の息子さんも喜んでくださったそうで何より…お母様の喜ぶお顔もぜひ拝見したいものです。

大切な思い出の再生・そしてまたひとつ新しい思い出をつくるお手伝いをさせていただき、ありがとうございました!

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ビフォーアフターを実物で!

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今日はこちら COBO のお隣 家具の富士 夙川店 より、家具のお修理ビフォーアフターを実物でご覧いただけるコーナーをご紹介します!

お店の入口正面に大きな座卓が…懐かしく思われる方も多いのではないでしょうか?
こちらは元々漆塗りだった座卓を、ウレタン塗料で塗り替えたもの。

実はご来店されたお客様から「私の家にも子供の頃こんな座卓があったわ~」というお声をよくいただく、隠れた人気者なのです。

どうか実物でご覧頂きたい…
椅子やソファも張り替えると、こんなにキレイに見違えます!


そのほかにも古い書棚や文机のリメイク、ビフォーアフターでイメージチェンジ!なデスクの再塗装などお楽しみいただける展示が盛りだくさん。
ご自宅で簡単にお手入れができるケア用品も販売しています。

お困りのことがありましたら、いつでもご相談に来てくださいね!
もちろん、ふらりと立ち寄っていただくのも大歓迎です♪
皆様に楽しんでいただけるよう、わたしたちも精一杯頑張ります!!

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今年もやってきました!

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こちらは神戸の女子校の講堂で使われていた長椅子。
昨年の夏は一人がけの椅子も含めてなんと約200本!の大仕事でしたが、今年はその残りをお預かりしました。

今回は夙川のISU COBOと、6月から椅子張り工房にリニューアルした河内長野店で作業を分担。
夙川チームは只今、背もたれ部分の再塗装とガタツキ直しの真っ最中です。

塗装ブースにお邪魔して少しお仕事を拝見…着色を終えたばかりのたくさんの長椅子が待機しています。

部分塗装は、元の色にどれくらい近付けられるかが職人の腕の見せどころ!

着色ができたら上から塗装をして完成、よく擦れる一番上の部分(笠木といいます)は二度塗りをしてしっかりと仕上げます。

くたびれてしまった座面をはがしていくと、真っ赤なゴムや、藁、綿など材料は昔から使われていたものばかり。
とても古いもので、なかには一度張り替えた跡があるものも…。
そうした椅子の歴史を感じながら(?)剥がし進めていくと、一番底はこんな感じ…

バネを吊っている紐が切れて飛び出しています…縁の下の力持ちも、こうなってしまうと大変!
こちらは河内長野チームの職人さんにおまかせします。。

このあと長椅子たちは、河内長野のCOBOで座面を張り完成した状態で、夙川へ帰ってきます。
完成のご報告を楽しみにお待ち下さい。

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▼そのほかの修理実用例はこちらからご覧下さい▼
http://www.kagusyuri.com/kagusyuri_repair.htm

今週のお修理

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COBOに、珍しいお客様(?)がやってきました。

こんなに大きなイス…いったい誰が使うのでしょう??
実はこちら、看板娘ならぬ看板イス!
大阪・北新地のバー、十年様よりお預かりしました。
お店に来られるお客様は”大きな赤いイス”と目印にされているそうで、張り地の色は「そのまま赤で!」というご希望。
いままでより少し落ち着いた色合いの、赤いビニールレザーで張替えました。
脚は再塗装、キャスターを付けて移動も楽々できるように!

新地の街でみんなに愛される看板イス、お近くにお越しの際はぜひ探してみてください。

▼そのほかの修理実用例はこちらからご覧下さい▼
http://www.kagusyuri.com/kagusyuri_repair.htm

(O)

新居に合わせて家具をリメイク

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本日はタンスと下駄箱のリメイクをご紹介させて頂きます。

お電話を頂いた際に、お客さまより
「自宅を建て替えるんやけど、今まで使ってきた色んな家具を何かに変えて使えへん?」
とご相談いただきました。

ご自宅にお伺いした際には、
新しい家の内容、また、どのような家具が必要なのか、
今ある家具のどれをどのようにリフォームするのか、
お客様と一緒に考えた結果・・・

タンスは上台、下台ともにテレビボード用の高さにカット。
(下台の抽斗が5つ→4つになっています)
下台には天板を製作し、
上台は扉を外し、台輪を製作、
中身を一度空っぽにした上で内部も塗装、
そして可動式の棚板を乗せました。
お色もリビングに合うお色に変更。

TVボード兼リビング収納に変身しました。


2つめは下駄箱。

新しいご自宅の間口には合わなかった(大きすぎた)ので
形はそのまま、幅をピッタリ合うように短くしました。

写真ではどこが変わったのか分からないかもしれませんが、
横幅が10cm弱、短くなっています。
全て元の部材を短くして使っています。

天板、台輪、扉も含めて全体をカットして組み直しているのですが
ちょっと見ただけでは何も変わっていないように見えませんか?

お客様も最初にご覧になられた際には
「これほんまに直したん?そのままちゃうの?」
と半信半疑でしたが、新居の玄関にピタッと収まると
「ちゃんと短くなってる!どこを切ったん?すごいな!」
と、とても喜んで頂けました。

引越したらサイズが合わないから・・・
クローゼットがあるから収納家具がいらなくなった・・・

壊れた物を直すだけではなく、
今ある物を形を変えて使う、そんな一例でした。

(Y)

今週のお修理

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ちょうど今から1ヶ月前のお話。
COBOにやってきたのはなんと…1950年代のアメリカ・モダンデザインを代表するデザイナー、イームズのアームシェルチェア(LAR=Lounge Height Armcheir Rod Wire Baseといいます)!
40年もの長い間、お客様のお家で大切に使われてきたものをお預かりしました。

長い年月の間に粉々になってしまったウレタンフォームを交換して、鮮やかなブルーの生地で張替えて…もとの落ち着いた印象から一転、その貝殻のような美しいシルエットを存分にアピールするインパクトある姿に大変身しました!

COBOではこんな風に時折、実際にお客様のお家で使われている名作椅子やその変身ぶりを目にすることができます。
家具が好きで、お修理をして永く使っていただきたいと願う私たちには、そんな瞬間に立ち会えるのは嬉しい限りのことです。

▼そのほかの修理実用例はこちらからご覧下さい▼
http://www.kagusyuri.com/kagusyuri_repair.htm

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今週のお修理

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今週も気になるお修理をピックアップしていきたいと思います。

上の写真は、西宮市にお住まいのお客様からお預かりしたダイニングチェア。

全ての部品を組み直し、座面の割れを接ぎ合わせて再塗装しました。
座面は、接着剤や割れたときのささくれがある断面を削り、補強のために”ビスケット”と呼ばれる(本当にビスケットのような!)薄い木の板を芯に入れて接着します。
最後に元の色に合わせて塗装をすると、座面の接ぎ目がわからなくなりました。

下の写真は、広島にお住まいのお客様からお預かりしたダイニングチェアの座面。

座面の中央に穴が開いてしまったため、座面を新しく張替えました。
こちらの座面は”モールドウレタン”と呼ばれるもので、型に液状の発泡ウレタン樹脂を流し込んで形を成型するという技法が使われています。通常のウレタンに比べて高密度で弾力性・耐久性に優れています。
元のウレタンをそのまま使い、穴の凸凹が表面に出ないようにソフトウレタンで包んで張り上げました。

お客様からお預かりした家具たちは、一つ一つその構造や状況に応じて最善の方法でお修理しています。
そんな一例を、今日はご紹介させていただきました。

▼そのほかの修理実用例はこちらからご覧下さい▼
http://www.kagusyuri.com/kagusyuri_repair.htm

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